夜勤明け、ベッドに入っても眠れない。
起きても体が重くて動けない。
次の勤務を考えるだけで、憂うつになる──。
そんな経験、ありませんか?
「看護師なんだから、夜勤がきついのは当たり前」
「みんな頑張ってるから、私も我慢しなきゃ」
そう思って、自分の疲れや不調を“なかったこと”にしていませんか?
私も新人の頃から、何度も夜勤の疲れに悩まされ、体調を崩しかけたことがあります。
でもある日、倒れそうになったときに
「私にしかできない役割がある」と気づいたことで、
自分を労わる大切さにようやく目が向きました。
この記事では、夜勤疲れを軽視せずに向き合うために──
- 夜勤疲れが心と体に与える影響
- 私自身が感じた“体の黄色信号”
- 実践してラクになったセルフケア
をまとめてお伝えします。
無理しすぎる前に。
あなた自身を守るためのヒントになれば嬉しいです。
夜勤疲れを甘く見るのは危険
夜勤明けの体のだるさや眠気を、
「看護師だから仕方ない」と受け入れてしまっていませんか?
確かに、夜勤は看護業務に欠かせないシフトのひとつ。
でも、それを理由に慢性的な疲労や体調不良を放置するのは、非常に危険です。
● 夜勤は「体内リズム」を強制的に狂わせる
人間の体は本来、昼に活動し、夜に休むようにできています。
でも夜勤ではこれが逆になります。
- 昼に眠れない(生活音や光が邪魔)
- 夜に起きる(強制覚醒)
- 食事のタイミングも乱れる
- 自律神経が混乱し、ホルモンバランスが崩れる
この状態が続くことで、以下のようなリスクが高まります:
- 慢性的な疲労と集中力低下
- 食欲不振や胃腸の不調
- 免疫力の低下
- うつ傾向などのメンタル不調
● 「みんな我慢してる」では救われない
私自身、夜勤が続いたある時期に
- 朝起きた瞬間からの強い倦怠感
- 動悸
- 眠れないのに疲れが取れない
- 食欲がない
といった不調を抱えていました。
それでも、「みんな頑張ってるし、自分だけが弱いんじゃ…」と無理を重ね、
結局、心身ともに限界に近づいていったのです。
● 夜勤疲れは「根性」では解決しない
夜勤に慣れればなんとかなる、と思っていた私。
でも実際には、“根性”では解決できないレベルの疲労が蓄積していたことを後になって知りました。
夜勤明けでフラフラのまま働き続けることで、
パフォーマンスも下がり、ちょっとしたミスで自信も失い、
悪循環に陥ってしまっていたのです。
夜勤の疲れがメンタルにも影響し始めていたあの頃──
限界寸前だった私がどうやって心を守ったのか、詳しくまとめた記事はこちらです👇
▶︎ ハラスメントに追い詰められた私の全記録
夜勤疲れを「ただの疲労」と捉えず、
「体からのSOS」だと気づくこと。
それが、まず最初のセルフケアです。
次のパートでは、夜勤が心身に与える具体的なダメージと、
私が実際に体験した“無茶なシフト”がもたらした影響について詳しくお話しします。
夜勤が与えるダメージとその蓄積
夜勤を繰り返す中で、私の体には少しずつ“異変”が起きていました。
最初は、「ちょっと眠れないな」「なんかだるいな」くらいの感覚だったのに──
いつの間にか、それは立派な“不調のサイン”になっていたのです。
● 無茶なシフトが体を壊していった
私が新卒で入った急性期病棟では、繁忙期に入り、
3連続夜勤 → 1日休み → 2連続夜勤 という過酷なシフトが組まれていました。
その頃の私は、
- 季節外れに風邪をひく
- 昼夜逆転で夜になると眠れない
- 便秘と下痢を繰り返す
- 月経周期が完全に狂う
といった体の異常に悩まされていました。
何よりもつらかったのは、「疲れた」では済まない、
“全身が止まっているような感覚”が続いたこと。
● 自分の不調に“鈍感”になっていた
「これは一時的な疲れ」
「もうすぐ退職だから、あと少しだけ頑張ろう」
そうやって自分をごまかし続けた結果、
私は不調に気づけないまま、限界を超えていました。
その証拠に、退職して3日後には次の職場へ。
気持ちは切り替えたつもりでも、体の疲れが抜けず、
新しい環境でしばらく不安と不調を引きずっていました。
● ダメージは“蓄積する”もの
夜勤のダメージは、1回ごとの疲れだけでなく、
「抜けない疲れが積み重なっていく」ことにこそ危険があります。
自律神経の乱れ、ホルモンバランスの崩壊、
そしてそれに伴うメンタルの不安定さは、
放っておくと慢性化してしまうのです。
「頑張れば乗り越えられる」
そう思っていた頃の私に、今ならこう伝えたい。
「疲れを放置するのは、“壊れる予兆”を見逃すことだよ」
次の章では、そんな私が心と体を立て直すために実践した、
“夜勤疲れをラクにするセルフケア5選”を紹介します。
がんばるあなたに、すぐできることから始めてみませんか?
夜勤疲れを乗り越える5つのセルフケア
体が悲鳴をあげてからでは遅い──。
そう気づいてから、私は“夜勤疲れをためない”ためのセルフケアを意識するようになりました。
ここでは、私が実際に試して効果を感じた5つの具体策をご紹介します。
【1】夜勤前後の生活リズムを意識する
夜勤の前日は、できるだけ日中に活動しすぎないようにして、
夜にしっかり仮眠をとるように意識しました。
夜勤明けの日は、帰宅後すぐに軽く食事をとってから、
最低でも3〜4時間は睡眠を確保。
「短時間でも質の良い睡眠」を目指すことで、
体調の回復力がかなり変わったと感じました。
【2】仮眠時間は“短くても取る”
夜勤中は、仮眠が取れないこともありますが、
「目を閉じるだけ」でも脳と体は休まります。
10分の仮眠でも、その後の体力の持ち方がまったく違います。
私は休憩時にスマホを見ずに、タオルをかけて目を閉じるだけでも効果がありました。
【3】食事と水分の工夫で回復力UP
夜勤中はついカップ麺やお菓子で済ませてしまいがち。
でも私はあるときから、消化に良くて温かいものを持参するようになりました。
たとえば:
- おにぎりと味噌汁のセット
- 常温保存できるスープジャー
- 低糖質のヨーグルト
さらに、こまめに水分をとることで、頭痛や脱水も減り、集中力も維持しやすくなりました。
夜勤中の食事に悩んでいる方へ──
実際に私が試してよかった夜勤ごはんの工夫を、こちらの記事にまとめています👇
▶︎ 看護師のための夜勤ごはんと体調管理術
【4】軽いストレッチで血流を促す
夜勤明けの帰宅後、すぐ寝る前に3分程度のストレッチを取り入れました。
首・肩・腰まわりをゆっくり動かすことで、
血流が良くなり、入眠もしやすくなったと感じます。
YouTubeなどで「朝のストレッチ」や「夜勤明け ストレッチ」で検索すると、短くて実践しやすい動画もたくさんあります。
【5】「休むこと」を悪いと思わない
一番大きかったのは、“無理しない勇気”を持てるようになったことでした。
「体調が悪いのに出勤して偉い」は、もう卒業。
- 体調が優れないときは思い切って休む
- 家事や育児も完璧を目指さない
- 自分を責めるより、“治すこと”を優先する
これだけで、心の余白ができて回復力も高まりました。
私たち看護師は、「頑張りすぎる癖」がついてしまいがち。
でも、長く働くためには“回復する力”も大切なスキルです。
次の章では、私が実際に母からかけてもらった言葉と、
「休むことが仕事」と思えるようになった転機についてお話しします。
休むことは「自分を守るための仕事」です
夜勤の疲れを無視して働き続けたある日、
私はとうとう体調を崩してしまいました。
寝込んでしまった私を見て、母がこう言ってくれたんです。
「看護師の代わりはいても、あなたの代わりはいないんだよ」
その言葉は、私の中にあった「休む=悪」という思い込みを、スーッと溶かしてくれました。
患者さんの前では、常に笑顔でいなきゃ。
家では母として、妻として、ちゃんとしなきゃ。
仕事も家庭も手を抜いちゃいけない──。
そんな風に自分を追い込み続けていたけど、
本当は、もっと前に気づくべきだったんです。
「無理をして壊れてしまう方が、よっぽど迷惑をかける」ってことに。
母はさらに続けました。
「患者さんの前に立つとき、あなたの心と体が元気じゃないと、相手に気を遣わせちゃうよ。
休むときはしっかり休んで、元気になったら、また全力で頑張ればいいんだよ。」
私はこの言葉に、涙が止まりませんでした。
今では、後輩や同僚が体調を崩したとき、私はこう声をかけています。
「あなたの代わりはいないんだから、ちゃんと休んで。
元気になったら一緒に頑張ろう!」
休むことはサボりでも、逃げでもありません。
「自分を守るための大切な仕事」なんです。
次のパートでは、
「夜勤にもう限界を感じている方」へ向けて、
夜勤なしの働き方という選択肢について触れていきます。
あなたが、自分を大切にできる働き方を見つけるためのヒントになりますように。
「夜勤なし」も選べる時代に
「夜勤がきつい」「でも辞めたら迷惑かけるかも…」
そう思って、今も夜勤を続けていませんか?
でも今は、夜勤をしない働き方も当たり前に選べる時代です。
私も「もう無理かも」と思ったとき、思いきって夜勤なしの職場を探してみたことがあります。
最初は不安だったけれど──
“夜勤がない”だけで、体も心も見違えるほどラクになりました。
✔︎ 子どもとの時間をもっと大切にしたい
✔︎ 自分の体調を優先したい
✔︎ メンタルを立て直したい
そんな方には、夜勤なしの求人を比較できる転職サイトの活用がとてもおすすめです。
「夜勤なしの働き方を選びたいけど、転職って不安…」
そんなとき、私自身もたくさん悩みました。その迷いや葛藤と向き合った経験をこちらにまとめています👇
▶︎ 転職に疲れたあなたへ。後悔しない3つの選び方
夜勤をやめることは、逃げではありません。
「あなたを守るための選択肢のひとつ」です。
あなたの体は、あなたが守ろう
夜勤は、看護師にとって避けられない仕事かもしれません。
でも、その中で「心と体がつらい」と感じたら、
それはあなたの体からの大切なサインです。
私自身も、
「みんな頑張ってるんだから、自分も我慢しなきゃ」
「ここで休んだら、ダメな看護師だと思われるかも」
と、自分を追い込んでいました。
でも今なら言えます。
“無理をしないこと”も、プロとしての判断です。
夜勤疲れを放置して体を壊してしまう前に、
- セルフケアを取り入れる
- 必要ならしっかり休む
- 自分に合った働き方を考えてみる
そうやって、自分を守る力を持つことも大事なスキルだと気づきました。
もし今、あなたが
「夜勤がきつい」「このままじゃ壊れそう」
と感じているなら、どうかその声を無視しないでください。
看護師のあなたにしかできないことが、きっとある。
でもまずは、あなた自身が元気でいることが一番です。
これからも長く、あなたらしく働き続けるために──
今日からできる小さな一歩を、ぜひ始めてみてくださいね。
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